最もよく見る寄生虫のひとつ、瓜実条虫を紹介します。
条虫とは、いわゆるサナダムシの仲間です。
よく見る&よくできた薬が多いので、ルーチンに駆虫しても問題ない寄生虫ですが、寄生虫の特徴と駆虫のポイントをしっかり押さえましょう。
キーワード➡サナダムシ、経口感染、ノミ、受胎片節、人獣共通感染症
ポイント
- レア度:★
- 感染経路:ノミの経口感染
- 同居猫への感染:あり
- 人への感染:あり
- 症状:★
- 駆虫:★
感染経路
瓜実条虫をもったノミの成虫が口から入ることにより感染します(経口感染)。
猫はよくグルーミングをする動物なので、ノミが口にはいることはごくごく普通のことです。
条虫は猫の小腸壁で成長して、成虫になります。感染から2-4週間ほどで糞便に米粒のような白いもの(受胎片節)が出てくるようになります。これで気づくことがほとんどです。
条虫とは、いわゆるサナダムシの仲間で、成虫は1本の長い虫です。この成虫が成熟するとブチブチ切れます。この千切れたものを受胎片節といい、短いけど動く白いなにかとして糞便中に出てきます。受胎結節の中に卵が準備されています。
逆にいえば、猫の糞便中に寄生虫卵は出てきません。
人への感染
猫と同様、ノミが口から入ることにより感染します。
ほとんどが乳幼児で報告されます。大人はさすがにノミが口に入ったら違和感覚えますよね。
下痢や、腹痛などの症状があるようです。感染した乳幼児も猫と同様に受胎結節が糞便中に排泄されるため、親が気づきます。しかし、症例数が少ないため人の医師は気づくことができない可能性も大いにあるとのことです。医師がわからないけど、獣医師は即わかる病気のひとつですね。
http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0810040456.pdf
症状
猫では症状はほとんどありません。
例によって、幼齢、衰弱猫では下痢や嘔吐、痩せてしまうことがあります。
受胎片節が肛門付近で動くことで、かゆくてお尻を地面にこすったり、気になってしきりに舐めたりすることがあります。
駆虫
一般的な駆虫薬で可能です。
同時にノミの駆除も徹底的にすることが重要です。それぞれの薬が併せて入っているスポットオン合剤が優秀です。ノミの繁殖できる環境を徹底的に省くことも重要です。
まとめ
猫飼育歴の長い人はすぐにわかる寄生虫ですが、初めて見た人は寄生虫とは思わないことが多い白い物体です。よく見ると動いていたと気づく人もいますが、数時間経つと感想して米粒に見えてしまいます。
いい薬もあるので駆除に苦労はしませんが、乳幼児がいる環境では特に注意しましょう。
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