マイクロチップは長さ1cm程度の電子標識器具で、動物の個体識別と管理に有効です。
※GPS機能はありません。
飼育犬猫への装着を推奨する理由
完全室内飼育であっても、マイクロチップの装着は強く推奨されます。
特に役立つのは、迷子(逸走)時や災害発生時です。
逸走や災害の後に動物が保護された場合、マイクロチップがあれば、飼い主に迅速に連絡が届きます。
一方で、マイクロチップが入っていない場合は、保護先で飼い主が現れるのをただ待つことになり、再会できないリスクが高まります。
災害時には多くの動物が一斉に逸走・保護されるため、マイクロチップが飼い主と再会できる確率を高める唯一の手段となります。
また、被災から時間が経つと、動物はやせたり汚れたりして、見た目での識別が難しくなることがあります。そのような場合でも、マイクロチップは確実な証明手段となります。
実際に、複数の人が同じ動物の飼い主を名乗るというトラブルも起こっており、マイクロチップはその防止にも役立ちます。
譲渡予定の動物にも推奨
当院では、譲渡予定の動物にもマイクロチップの装着を推奨しています。
譲渡費用に「マイクロチップ装着費用」を含めることで、譲渡主側が一時的に負担した費用も回収可能です。
さらに、譲渡後に装着する場合は、無麻酔で行う必要があるため、動物への負担が大きくなるおそれがあります。
このような点からも、譲渡前の不妊去勢手術時にマイクロチップを装着することを推奨します。
あらにマイクロチップは譲渡後の管理不十分・遺棄・虐待・無断再譲渡などを防ぐ抑止力となります。
万が一、不適切な扱いがあった場合でも、マイクロチップは管理責任を追及する際の証拠となります。
マイクロチップを装着していないと、相手に責任を問おうとしても「知らない」と言い逃れされ、泣き寝入りになってしまう可能性があります。
装着のタイミング
犬は生後2週齢から、猫は生後4週齢からマイクロチップの装着が可能です。
ただし、マイクロチップは比較的太い針で注入する必要があるため、不妊去勢手術の際に装着することを推奨しています。
このタイミングであれば、麻酔がかかっており、動物の体も十分に成長しているため、負担が少なくて済みます。
マイクロチップの詳細については、環境省のサイトをご覧ください。