麻酔銃の射程距離

麻酔銃というと、みなさんはどんなものを想像しますか?
忍者の吹き矢?
名探偵コナンが毛利小五郎に乱発しているあれ?
それともゴルゴ13のように遠距離スナイパー?

ゴルゴ13は正確には麻酔銃ではありませんが、彼が超遠距離から確実に目標を仕留める様子に、誰もが一度は憧れた(?)ことがあると思います。

今回は野生動物の市街地出没がニュースになったので、その際の麻酔銃の使用の視点で解説します。

飛距離

ゴルゴ13の最長射程距離は5,000mです。5kmですよw
これは漫画の世界ですが、現実の世界ではどうでしょう?
オーストラリア軍のスナイパーが2,815m先の敵を射撃した記録があるそうです。ちなみに撃ってから命中するまで6秒かかるそうです。

吹き矢の飛距離はどれくらいでしょう?
投薬器を飛ばす明確な数字根拠はないのでスポーツ吹き矢を参考にします。遠矢記録は30m程度のようです(https://www.fukiya.net/result/number1.php

では、麻酔銃の飛距離はどれくらいだと思いますか?

30m

吹き矢と変わらんやんけ!
さすがにゴルゴを想像している人は少ないと思いますが、100mくらいを想像している人も多かったのではないでしょうか。

ネットで検索すると、15m程度と記載していることも多いのですが、実際にシカ、イノシシ、クマ、カモシカなどの調査をしている人の話を聞いたり同行したりすると、30m程度で打つことが多いです(銃の種類、投薬器にもよる)。そもそも野生動物にそれ以上近づくことができません。

投薬器

画像

国内の野生動物相手だと3ml程度の薬を入れて撃ちます。重さ。風の抵抗。いかにも飛ばなそうでしょ。銃もガス充填式なので、バンッ!!ではなく、パシューンって音です。飛ばなそうでしょ。そう、飛ばないんですよ。

そして、野生動物の硬い被毛に突き刺さらなければならない。
これが射程距離が短い理由です。

動物の速度

では、里山から市街地に出没してきて興奮している動物に30m以内まで近寄ることを想像してみてください。人馴れしている観光地のサルではありません。養豚場の豚でもありません。動物園のクマでもありません。

画像

まず、難しいです。
そして、怖いです。

襲ってきた時に、対処できるかどうかを考えてみます。

クマやイノシシの走る速度は30km/h

最高速度はそれ以上出るとも言われますが、スタートからその速度はでないので30km/hと仮定した場合、30m先から麻酔銃を撃った自分のところまで来るにはどれくらいの時間がかかるでしょうか。

3.6秒

絶望的です。
突進一発なら避けられるかもしれませんが、興奮した動物はそれで終わらない可能性が高いです。

まとめ

麻酔銃のデメリット「飛距離」についてまとめました。

野生動物の調査等には麻酔銃が使用されています。野生動物に長けた人が、興奮させないようにそーっと接近して、撃ちます。可能な限りの安全対策を施して挑みます。

市街地出没した野生動物の興奮は、それとはまったく異なる状況です。
飛距離だけで、麻酔銃が市街地の野生動物に不向きなことがわかったと思います。
他のデメリットはまた次回。

関連記事

  1. 猫胃虫

  2. マンソン裂頭条虫

  3. シェルターメディスンつまみ食い~総論~

  4. 瓜実条虫

  5. 猫回虫

  6. シェルターメディスンつまみ食い~管理編~

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP