ねこを捕獲して手術するタイムスケジュールの図解と、各行程における注意点をまとめてみました。
特に多頭の猫の手術してリリースする場合、1度で全頭手術が目標なので必ず成功させましょう。1頭でも手術できなかったらまた手術しなければならないというプレッシャーを感じ続けることになってしまいますので、避けたいところです。
全頭手術を考えていない人は、まずは手術の心得からご一読願います。失敗して欲しくないのです。
おおまかな流れ
当院、やまがた不妊去勢クリニックの場合を記載します。他の病院に連れていかれる場合もこれに準じた形になると思いますが、予約する病院に確認してください。その場合も参考になると思います。
- 手術の予約
- 捕獲器の確保
- 最初の捕獲
- 手術当日の捕獲
- 病院に連れていく
- 病院にお迎え
- 猫を放す
①手術の予約
まずは手術の予約をお取りください。捕獲できたら病院に連れていくというのは、捕獲から通院までの間ケージの中で飼ってあげられる場合は構いませんが、そうでない場合は先に予約をしてください。捕まらなかったことによるキャンセルは問題ありません。
②捕獲器の確保
②手術前日までに捕獲器と手術後に猫を入れる洗濯ネットとダンボールまたはキャリーケースを用意してください。「捕獲器が1週間しか借りられない」という方がいますが、1週間も借りられれば十分です。何日もかけっぱなしにしても、猫はかかりません。かかるときはすぐかかります。短時間勝負です。
捕獲器は保健所または当院まで取りに来てもらう形になります。相談している保護団体があるなら、そこで借りることもできるかもしれません。当院の捕獲器を家まで運んで欲しい場合、送迎・往診料金にて承ります。
③最初の捕獲チャレンジ
手術前日の夕食時(猫のね。自分の夕飯時ではないよ)に最初の捕獲を始めましょう。1時間程度が目途です。具体的な手順は下記(捕獲器を使った捕獲のポイント)参照。
夜中仕掛けておくことはおすすめしません。寝ている間の万が一の事故や野生動物の錯誤捕獲に気づくことができません。猫は捕まるときはすぐ捕まりますし、ある程度で捕まらなければ何時間仕掛けていても捕まらないと言っても過言ではありません。そのため、夜は必ず捕獲器を1度仕掛けるのをやめて、翌朝再度仕掛けなおしてください。
捕まった猫は、暑さ、寒さ、雨風を避けられる場所に移動してあげてください。部屋の中でなくても、物置や玄関でも構いません。
④手術当日の捕獲チャレンジ
前日に取り逃がした猫は翌朝(手術当日の朝)再チャレンジします。捕獲時間1時間程度と仮定し、病院に連れていく時間を逆算して始めてください。
⑤病院に連れていく
予約した時刻に猫を連れてきてください。それまでにまだ捕獲できていない猫がいる場合、捕獲器を仕掛けっぱなしにしてください。よると比べて日中は野生動物がかかる可能性が低く、比較的安全です。手術している間に他の猫が捕まったら、病院に連れてきてください。
⑤~⑦は最重要ポイント
捕獲できた猫が手術に行って、帰ってきて、リリースするまでの間が最大の捕獲チャンスです。前日と当日朝の捕獲で逃してしまった猫の捕獲確立がこれ以上高まるタイミングは他にありません。
手術済みの猫をリリースした後では、再度同じ猫が捕まる可能性が高いためです。散ってしまった猫がフラっと戻って来たところに捕獲器が設置されている状況にしましょう。この場合に限っては、捕獲器は仕掛けっぱなしで構いません。戻ってきたのを確認してから設置すると、設置している間に再度逃げられてしまいます。
これができるから、複数回に分けずに1日または2日連日で全頭捕獲を目標にするべきなのです。
⑥病院にお迎え
猫を返却します。時刻は頭数次第です。お迎えに来る際、当院から貸し出した捕獲器は返却してください。水や餌を与えるタイミングは獣医師の指示に従ってください。
⑦猫を放す
翌朝、手術済みの猫をリリースしてください。
猫にとっては捕獲されて、寝かされて、気づいたらなんか痛い。という衝撃的なことをやられています。数日戻ってこない可能性もあります。そんな子も数日経てば戻ってきます。
猫の捕獲方法
③、④の具体的な手順とポイントはこちらから
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