捕獲器を使用した捕獲ポイント

猫を捕獲して手術したり、里親を探したい!でもどうしたら…?という方は是非この記事を参考にしてください。猫捕獲における基本の「き」を詰め込みました。

捕獲方法

捕獲方法は色々あります。猫の馴れ具合や、環境に合わせた方法を選択することが大切です。しかし、基本的には捕獲器を使った方法が簡単で成功率も高く、安全ですので推奨しています。方法の選択については別記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

捕獲器の貸し出し無料

当院にて手術等を実施する場合、猫の捕獲自体の依頼も承っています。しかし、よほどの理由(体が不自由等)がない限りまずはご自身で捕獲を試みていただきたいと思っています。

管轄の保健所や役場または当院にて、無料で捕獲器の貸し出しは可能です。まずはこの記事をご一読のうえ、挑戦してみてください。捕獲器の使い方は下部に記載しています。

捕獲のタイミング

手術日前日の夕方のご飯の時間が最初のトライ時刻になります。

夜間仕掛けっぱなしではなく、1時間程度できりあげてください。猫は近くにいれば、入る時はすぐ入る動物です。

そこで捕まらなかった場合、手術当日の朝、もう一度挑戦します。

捕獲手順

手順を色々解説する前に一番大切なことをお伝えします。

捕獲器を仕掛けたら、絶対にその捕獲器を見ない、気にしないこと。

様子が気になるのはわかりますが、猫が警戒して入りません。当院で実施するときは、仕掛けたらコンビニで時間つぶしたりします。

それでは、具体的な手順を示していきます。

Ⅰ.まずは、猫が通って来たり逃げたりするルートを確認します。通り慣れた道を通って来たり、休憩したり寝床としている場所への道があります。場合によっては隣の家の可能性もありますし、床下や倉庫内かもしれません。

ある程度通り道が決まっています

Ⅱ.一番最初に捕獲器を設置するのは、エサ場ではなく、そこから逃げた先です。居心地のいい場所、安全と思っている場所へ逃げることを予想して、先に仕掛けておきます。

遠いところから設置します

Ⅲ.最後にエサ場に設置します。逃げた先に行くであろう場所に設置している間もエサ場でエサを待っているはずです。

最後にエサ場付近に設置します

Ⅳ.設置後、すぐに家の中や捕獲器が見えない場所に移動してください。すぐにかかりそうな猫がいても、絶対に捕獲器の様子を見ないでください!!

家の中からも見ないように。猫は必ず入る直前に周りを見渡します。誰かに見られているとそこで警戒して入らなくなります。静かに聞く耳をたてておいてください。カシャンと捕獲器が閉まる音を聞いてください。音を聞いてから5分程度は放っておいてください。近くの猫が違う捕獲器にかかる可能性があります。

Ⅴ.捕まった猫は捕獲器ごと静かな場所に避けます。

余っている捕獲器があれば同じ場所に設置します。こうしている間に、猫はある程度散ってしまいます。しかし、おいしいエサがあれば10-20分程度で再度元居た場所に戻りますので、再度隠れてください。ポツポツ捕獲が進みます。

Ⅵ.捕獲した猫は、玄関や倉庫など、明るすぎず、暑かったり寒かったりしない場所を選んで捕獲器のままください。

上からタオル等をかけると猫も落ち着きます。絶対に猫を捕獲器からキャリーケースなど他の容器に移し替えないでください。素人がやるとほぼ確実に逃げられます。また、捕獲器に入った状態は、麻酔をかけるのに適しています。移し替えるメリットは全くありませんので、絶対におやめください。捕獲器の中で排泄することを考慮して下にペットシーツや新聞紙等を敷きましょう。手術適期の猫なら1日程度食べ飲みしなくても問題はありません。

捕獲器の使い方

動画にもしてありますので、ご覧ください。

踏板式

踏板を踏めば、扉が閉まるタイプです。捕獲器の奥にエサを置きますが、一口で持っていかれないような工夫が必要です。唐揚げを使う場合、捕獲器のメッシュで唐揚げを押し付けるくらいにしましょう。ポン置きではすぐ取られてしまいます。

吊下式

鋭利な先端を折り曲げてある

エサを吊り下げてそれをいじることで扉が閉まるタイプです。エサを棒にさせるために先が鋭利になっているものが多いです。これは捕獲後の動物を傷つける可能性がありますので、内側に曲げたり、先端を削る必要があります。エサは紐でぐるぐる巻いて固定しましょう。

①の棒に③の棒をひっかけることで仕掛けますが、ひっかけすぎると猫がいくらいじっても作動しません。ひっかけるのはほんの少しで、扉が開いたままになるギリギリくらいでセットしましょう。

簡単にできるひと工夫

置く場所は、壁やその角に沿うように置いてください。広く開いたスペースにポン置きでは違和感が大きいです。一方向もしくは二方向が遮断されていると、そちらから来る刺激が遮断されるため、不要な刺激を与えずに済みます。

踏板式の場合、入り口から踏板までペットシートや新聞紙を敷き、踏板を隠してください。ずれないようにテープで固定するとなお良し。

ペットシーツで踏板を隠している

捕獲器全体をダンボール、ペットシート、タオル、新聞紙などで覆うのは大変ですが、効果があります。顔だけでも入れば、外からの刺激を遮断し、エサに集中させることができます。

注意点

自分の敷地以外で捕獲を行う場合、必ず敷地管理者の許可を得て下さい。同時に、その家主が猫に刺激を与えないように、家の中にいてもらうなどのお願いしましょう。「捕獲するので」と伝えるとほぼ100%気になって見たがりますが、我慢してもらいましょう。捕獲後はエサの残りなどをきれいに片づけてください。

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