愛護活動の線引き~どこまでやるか~

犬も猫も動物愛護団体と呼ばれる団体を中心に、動物愛護のために活動を行っている人は多いです。

活動には様々な形があり、できることをやるっていうのが大切と考えています。

野良猫、半野良などの飼い主のいない猫対策だでにスポットを当ててもやり方はいくつかあります。

保護譲渡、地域猫、TNR…どれもしっかりやれば効果がある活動であるため、当院はどの活動も応援しています。頭が下がります。

しかし、一方で他人の活動に「ご意見」する方もいます。

それぞれ信念や考えを持ってやっているとは思いますが、そこに正解はあるのでしょうか。

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すべて正解

まず、例に挙げた3つの活動、保護譲渡、地域猫、TNRはどれもしっかりやれば野良猫問題は解決につながります。

そういう意味ではどれも正解になり得ます。だから当院はどれも応援しています。

明らかな不正解はありますよ。

管理の伴わないTNRやエセ地域猫は、他に散々記事にしてあるのでここでは説明しませんが、不正解はあります。当院に相談があった場合、不正解の活動にならないようにお話をしています。

不正解というのは、猫が可哀想とかそういう意味ではなく、せっかくやっても無駄になるということです。

話を戻しますと、保護して譲渡するのが、猫にとってもその環境にとっても理想的な活動です。ここに疑いようはないと思います。

ただ、これは莫大な労力、資金、時間、場所等のコストが必要になります。

地域猫をやろうとしても、地域猫には適さない田舎であればTNRが正解になることもしばしばです。

ではどういう「ご意見」が出るのか。

負傷猫は治療しろ

例えば負傷猫のレスキューをしている人、したことがある人の中には、TNR現場で傷ついている猫もちゃんと病院に連れて行けという人がいます。

これはもちろん間違っていないです。人道的な意見です。

しかし、TNRしている現場というのは、TNRを選択した理由がそこにはあります。

骨折している猫を治療するコストはかけられない事情があります。

TNRをやっている人も、病院に連れて行ってあげたい気持ちはあります。でもそれはできない。

1匹の治療によってそこにいる猫全頭の手術ができなくなってしまったら、猫の数の管理が第一目的のTNRは失敗におわります。

目的を失ってはいけません。

堕胎手術の可否

坂上忍さんの番組で、妊娠していた保護猫に出産をさせるというシーンがあったそうです。

これに対して同じように保護活動をしている方々から「こっちはどんな思いで堕胎手術をしているのかわかっているのか」「保護の限られた席は奪い合いなのに」という強い意見が溢れていました。

このような意見を言っている方々は、断腸の思いで堕胎手術を経験させたことのあるひとでしょう。

1度や2度ではないと思います。

そのたびに、ごめんねごめんねと思いながら保護活動を継続してきてくれた人たちだと思います。

本当に頭が下がります。

僕も、断腸の思いで堕胎手術をしています。

しかし、坂上さんは生ませる判断をしました。でもそれが間違っているとは私は言えません。

その猫自体や、周辺の事情を一番よく把握している彼が判断したことです。

細かい事情を知らない外野がとやかく言うことではないと思います。

正反対だけど同じ思い

負傷猫と堕胎手術の例を挙げました。

これらは1匹の猫に対しては相反する意見です。

その1匹の猫を救うべきという意見と、その1匹の猫には出産させないという厳しい意見。

どちらも猫に対する愛があります。

堕胎の先には、その子猫たちを救うことに使われるコストを今まさに外で暮らしている他の猫を救うことができるのです。

群全体の管理を優先させるか、個体に全力で救うかの違いです。どちらも正解。

ただ、「1匹に全力」は続かないのは事実です。

変化を受け入れる

坂上さんには、断腸の思いで堕胎手術をしてきた保護活動家たちの思いも伝わっているはずです。

もしかしたらそのような意見は予想できていたかもしれません。そうであれば、やっぱり堕胎手術を選択できなかったそれ以上の理由があったのだと思います。

それが坂上さんの感情だけだったかもしれませんが、それでもいいじゃないですか。

今後、もしかしたら彼の活動に変化があるかもしれません。次は堕胎手術を選択するかもしれません。

でもそれは受け入れて欲しいと思います。

私は彼と仲良しでも彼を擁護しているわけでもなんでもありません。彼以外の愛護活動家にも同じように考えてあげて欲しいと思っているので記事にしています。

活動内容に変化がある。そこには事情があるはずです。

現実、信念、そして限界。

愛護活動は、経験を重ねて自分が無理せず計画的にできる範囲に集約していくべきだと思います。

しいていうならそれが正解でしょう。

坂上さんがもし次に堕胎手術を選択した時、「あの時は産ませたのに」なんて言葉をかける人はいて欲しくないと願うばかりです。

最後に

自分で読み直しても、否定的でひねくれた記事だなと思ってしまうような記事になってしまいました。

なにが言いたいかというと、それぞれ動物を愛する気持ちがあっての意見です。向いている方向は同じはず。

世の中にはひどい人もいるのは確かですが、もう少し寛容な気持ちで愛護活動に取り組んで欲しいなと思います。

できることをコツコツと。

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