手術済みの猫を見て思うこと

外猫の手術をしていると、すでに手術済みと思われる猫に遭遇することがあります。

人馴れしていない外猫なので、麻酔をかけてお腹の毛を刈ったときに、なんらかの手術痕があるという状況です。

そんなときはいろいろなことを考えてしまいます。

今回はそれについて書きたいとおもいます。

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オスは外についている玉が確認できなければ手術済みとわかるので、麻酔をかける必要もないことが多いのでいいのですが、

(とはいえ、めっちゃ狂暴なうえ、依頼主がそもそも雌雄不明なケースなどもあってオスですら麻酔をかけなければならない場合もある…)

麻酔かけてみたら手術済みでしたというケースはメスがほとんどです。

そんなに年齢がいっていることが少ない外猫で、お腹の正中に手術のあとがあればほぼほぼ避妊手術の跡だと予想できます。

このようなケースを見るたびに色々考えてしまいます。主に3つです。

避妊手術かどうか

先ほど述べたように、ほぼほぼ避妊手術で間違いないと思います。

ただ、100%避妊手術済みですというためには、結局開腹しなければなりません。

正常の子宮や卵巣はエコーやレントゲンで確認することはとても難しいです。

そのため、お腹を開ける必要があります。

しかも、通常の手術なら1,2cm程度の傷で済みますが、お腹の中をしっかり探して、卵巣と子宮がないことを確認する必要があるため、傷は結構大きくなります。

ここまでやって初めて確実に手術済みだと言えます。

なので、その後保護して室内飼育に切り替える猫であれば、飼育中に発情兆候が見られた場合は再度麻酔をかけてお腹をあければいいのかもしれませんが、ま、それでも何回も麻酔をかけられて可哀想ではありますが、

外にリターンする猫だとそうもいきません。

繁殖制限が目的なので、お腹をあける必要があります。

飼い猫なんじゃないか

まだまだ外で飼われている猫が多いので、この可能性は常につきまといます。

このような猫にあたった場合、当院ではマイクロチップが入っていないかを確認します。

外で飼っているような人がマイクロチップを入れていることは想像しづらいですが、またまた逃げてしまったタイミングだった可能性も考慮して、マイクロチップは確認します。

依頼主さん的には、今日たまたま来て捕まった猫ではなく、長期間見てたり、エサを与えている猫なので、たまたま逃げたという可能性もまたほぼありえないですけどね。

当然飼い主がいた場合はトラブルにもなります。

どっちが悪いと名言できませんが、どちらにも責任があります。

千葉県の場合、室内飼養は条例で努力義務とされています。

簡単な言葉を使えば、室内飼養の努力すらしていないのは条例違反と言えるかもしれません。

そんな硬い話は置いておいても、外で飼う危険性や外猫を捕獲して手術する活動の存在を知っていれば、外で飼うなって話なんですけど。

ただ一方で、捕獲して手術に連れてきた依頼者も、外猫の繁殖制限のために捕獲して手術する旨の通達が足りなかった可能性があります。

外で飼うなというのは理想ですが、理想と違うことをやっている人、猫には何をしてもいいわけではありません。

これについては、捕獲をする人全員に伝えています。

捕獲日までに必ず近隣住民に捕獲する旨を伝えてくださいということです。

手術してある猫=捨てられたのかしら?という人いますが、それは浅慮すぎます。捨てられたんじゃなくて、飼い主がいるかもしれない、その猫を捕獲して連れてきたかもしれないという考えは常に持たないと。

耳カット拒否のパターン

野良だろうが、外飼いだろうが言えることですが、以前の手術時に耳カットが可哀想というわがままを言ったパターンです。

これも普段から僕は言っていることですが、耳カットを一時的な感情で、可哀想だからと拒否する人がいます。

当院に依頼してくる人でも稀にいます。

外に戻す、または外で管理をするなら必ず耳カットをしてください。結局また捕獲されて、麻酔かけられます。最初に書きましたが、オスでもありえます。

メスなら最悪お腹を開けられます。

つまり、もっと猫が可哀想なことになるのです。

はっきり言いますが、外に戻すのに耳カットしないのは、自分勝手なわがままです。

すべて、もうひと頑張りで防げる

今回、手術済みの猫を見ると色々考えてしまうということで主に3点について書きました。

確実に避妊手術であるというにはお腹を開ける必要がある、飼い猫かもしれない、耳カットしたくないというわがままです。

どれも共通して言えることは、猫が可哀想なんです。

とてもストレスのかかる捕獲→手術というのを再度やる。

場合によってはもう家に帰れないかもしれない。

猫にとっては最悪です。

でもどれもこれも防ぐことができます。

可能性低いことを心配しすぎといわれるかもしれませんが、どれも実際にある事例ですし、どれも人のもうひと頑張りで防ぐことができます。

やらない理由はないでしょう。

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