犬猫の寿命は15年ほどあります。
犬猫の寿命は15年くらいあります。最後まで責任を持ってみることができることを考えると、自分が何歳までなら犬猫を飼うことができると思いますか?
今日はそんなペット飼育適齢年齢はどれくらいなのか、そしてそこから譲渡する際に里親に求める条件を考察します。
あなたの回答は?
60歳?65歳?
猫なら散歩も不要だし、70歳?
いやいや、65歳には手元に残らないように50歳?
自分の親は85歳まで飼っていたから70歳まで大丈夫?
責任感の強い方ほど、低年齢に回答する傾向があるかもしれません。
固定観念
みなさん子犬子猫から飼い始めることを想定して回答しませんでしたか?
この記事では寿命は15年と先に言及しているので、ミスリードしているところもあります。が、それがなくても子犬子猫を飼うことから想像して答える人が多いです。
では、余命が5年の犬猫ならどうでしょうか。
単純にさっきの年齢+10歳なら大丈夫なはずです。
固定観念の代表者
普段「ペットショップから買うのではなく、保護犬、保護猫の里親に!」と叫んでいる人も、なぜか子犬子猫を想定して飼育開始年齢は若くあるべきと考えがちです。
その代表者が行政です。
(ここで他人事や行政批判と捉えず、自分はそうでなかったかをもう一度振り返ってくださいね。)
動物愛護センターや保健所は、譲渡を推進すべき機関です。特に成犬成猫の譲渡は子犬子猫に比べて苦労していると思います。
にも関わらず、里親は65歳までの制限を設けています。
譲渡の推進以上に終生飼養の徹底を重んじていることがひとつの理由ですが、一辺倒に65歳まで!と決めるのは、あまりにも人間味がない決まりです。
まして獣医師がいる組織なのですから、動物の推定年齢を見て、飼い主の年齢と照らし合わせて譲渡する子を行政側が勧めることができるはずです。
行政側に色々理由があるのは理解してますが、もう少し柔軟な対応に期待したいです。
このままでは、獣医師であるどころか、人がやる必要すらなくなり、AIに仕事取られますよ。
ペット飼育適齢期
話を戻します。
私が考えるペットの飼育に最適な年代はずばり、60代です。
ここまでは寿命を考慮した年齢について触れました。
もちろん、高齢者ほど飼育継続不可になる身体的可能性が高いです。
それを考慮すべきなのは、間違いありません。
では、身体健康面以外ではどうでしょうか。60代が適しているといえる理由は主に3つあります。
時間
一般的なサラリーマンや公務員は65歳で定年退職を迎えています。パートタイム職員になったり、仕事がなくなったりして、家にいる時間は長くなります。単純明快、ペットに充てる時間がたくさん取れます。
みんな大好き英国ドイツでは
・8時間以上犬をひとりで留守番させないで
・この犬は4時間まで
みたいな動物に合わせた譲渡条件が示されています(一例)
欧米に限らず、特に犬は留守番時間が長くなってしまう現役バリバリ社会人より、犬に構ってあげられる退職者の方が犬にとってはベターであることが多いです。
お金
65歳の定年退職で給与はがくっと下がります。もちろん収入は減ります。
しかし、今のこの年代はお金持ってますw
なぜなら子育てが終わり、退職金が入り、ローンも完済、国民年金、企業年金…介護保険も払いきった。
つまり現役世代より可処分所得が増える傾向にあるようです。つまり、ペットにかけられるお金が増えます。
譲渡やっている愛護団体の方々、源泉徴収票などの所得証明だけ見てたらダメですよ~
こんな所得じゃ大切にできない!と、現役世代の収入と単純に比較してはもったいないことをしてるかもしれません。
変化がない
若い世代には、生活環境の変化がつきものです。
結婚、離婚、出産、引っ越し、異動転勤、ローン、介護(これは今老老介護だから65歳くらいが最盛期かも)と変化があります。
高齢者の病気と同じかそれ以上の確立で変化があります。
これを軽視して、高齢者の健康面のリスクだけを危険視するのは違うのかなと。
その点、65歳くらいなら思わぬ変化というのは少ないです。
譲渡を勧めたいわけではない
ということで、個人的には65歳くらいがペット飼育適齢期だと考えています。
こういうことをいうと譲渡に関わったからとか言われるのですが、譲渡抜きにしても上記の理由から、ペットを飼うにはこのくらいの年齢が適してると思います。
動物病院で感じること
動物病院で働く方、患者さんとしてよく通っている方でもいいです。よくよく考えてみてください。
よっぽど都心の病院でない限り、連れて来る飼い主さんは60以上の方も多いはずです。
診察を通じて見えてくるのは、すぐに病院に来て、お金にも余裕があって、ペットのことをよく観察していて、本当にかわいがられているなと感じる多くは60代のおじさまおばさまたちです。
これがなによりの証拠かと。
まとめ
高齢者は最後まで見れないという事実を否定しているわけではありません。
無視すべきでもありませんが、健康寿命は延びています。
急な変化は、誰にでも起こりえます。どの年齢でも、その変化を想定して準備できていることがなにより大切です。
単純に、65歳以上を譲渡対象がにするのはもったいないよねという話です。
年齢以上に見るべきポイントがあるはずです。
付録
この手の話では、必ず話題にあがる札幌のツキネコさんを紹介しておきます。
高齢の方への譲渡を「永年預かり制度」という形で実現しています。私も面識はないのですが、いつか話を伺いたいと思っています。
永年預り制度|猫について|北海道札幌市の保護猫団体「NPO法人 猫と人を繋ぐ ツキネコ北海道」 tsukineko.net
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