東京都は殺処分ゼロ 正しい認識と課題

東京都は小池都知事になって2018年度から殺処分ゼロを継続中です。

数字のからくりがある!という指摘されています。

私は、からくりではなく正当法だと捉えていますので、その理由とともに本当の殺処分ゼロのために何が必要かを解説します。

数字のからくり

冒頭のXのポストにも、東京都のHPにもこの文言が添えられています。

「動物福祉の観点から行ったもの及び引取り収容後死亡したものを除く」

簡単にいえば「不要な」殺処分はゼロを達成したということです。素晴らしいですね。

東京都は「動物福祉の観点から行ったもの及び引取り収容後死亡したもの」を致死処分と表現していると思われます。殺処分はゼロだけど、致死処分はあるということです。

まずは、この実態を正確に捉えていただくことが必要です。

それは殺処分ゼロとは言えないだろ!という数字のからくりへのご指摘があります。

確かに、世間一般が想像する殺処分ゼロと東京都の現状にはギャップがあり、少しズルい感じがしますね。

致死処分数

では、東京都はどれくらいの動物を致死処分しているのでしょうか。

殺処分数ゼロを達成した2018年度は平成30年度です。

平成30年度の致死処分数は357匹。令和4年度は計200匹まで減少しています。

冒頭にリンクを貼ったXのショート動画内で、2015年度(平成27年度)は200匹程度殺処分していたとの発言があります。

殺処分ゼロ達成前の致死処分数は「致死処分数+殺処分数」になりますが、平成27年のそれが816匹なので、600匹程度、動物福祉の観点から行ったもの及び引取り収容後死亡した致死処分があったと推測できます。

この数を令和4年200まで減らしたのはすごいことだと思います。現場職員と保護団体にはものすごい負荷がかかったでしょう。

区別は賛成

この現状で殺処分ゼロ達成!!というのはズルい感じはしますが、この区別はすべきです。

何が何でも生かすといった政策は獣医師として反対です。大病等で安楽殺が最善の選択になる動物はいます。それを安楽殺しないことは動物福祉に反します。

ここから先、致死処分数を更に減らすために重要なのは、安楽死が最善の選択になってしまう動物や、収容中に死亡してしまうほど状態の悪い動物がどこから来ているかを考えることです。

もう一度さきほどの数字を確認しましょう。

令和4年の致死処分200匹のうち173匹が猫です。猫の対策を進めることは誰の目にも明らかです。

そこで、保健所・動物愛護センターに入ってくる猫の内訳を確認します。

所有者から引き取った猫は68匹、拾得者から引き取った猫は180匹、負傷した猫は194匹、合計442匹となっています。

拾得者からの引取りと負傷猫のほとんどが野良猫または野良猫予備軍、屋外飼育猫です。これを野良猫等と呼ぶことにしますが、この野良猫等が374匹、約85%を占めます。

そして致死処分された猫173匹のほとんどが、野良猫等であることは想像できますよね。

野良猫等の発生源

では、野良猫等はどこから来ているのでしょうか。

無責任に野良猫にエサを与えている人、野良か飼い猫か判断が難しいような飼育をしている人がいるから野良猫等が存在します。

だから室内飼養を推奨、努力義務化しています。無責任なエサやりを辞め、TNRや地域猫活動を進めています。

TNRしてもその猫が事故に会うことは変わらないだろ!というご指摘はもっともですが、不妊化されていない状態が続けば毎年何回も子猫を生み、その子猫たちが可哀想な運命になります。

行政の目に触れず、致死処分数にカウントされることなく亡くなっている猫も多いでしょう。なので、未来の失われる命を抑えることはできているのです。

ただ、TNRや地域猫活動が届かない場所があります。

人の福祉現場です。人福祉現場の話は別記事に散々書いていますので省略します。

人福祉現場に獣医師を入れることで本当の殺処分ゼロが見えてきます。不幸な動物の供給源をを締めるのです。

東京都、うちと連携してくれないかな~

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