愛護団体代表が刑事告発された件で伝えたいこと

報道記事の内容

週間新潮に『動物愛護団体代表が刑事告訴された』記事が掲載されました。

獣医師免許を持たない某愛護団体代表が、猫の治療をしたり薬の処方を行っているという内容でした。

これが事実なら完全な獣医師法及び薬機法違反に該当します。もちろん断じて許されることではありません。

ですが週刊誌の 1 つの記事でしかないので、事実確認は必要です。

それに加えて、記事によると、刑事告発してるけど告訴状は受理されていないようです。

なので本当にその代表の方が法律違反を犯していたかどうかは、確定的なものではないということを前提にして話を進めます。

我々素人が私刑することもよろしくないですしね。

ですが、同様の行為が他の団体でも行われているであろうことと、違反行為でなくても一緒に活動している方が「ん?」とひっかかるようなことはあるだろうと思います。

そういう方のために記事にします。

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違法行為に及ぶ過程

今回記事人なったのは結構大きめの有名な愛護団体の代表です。

保護譲渡やTNRに関わっていると、自分で獣医師を呼んでクリニックを開いたりもしています。

そうすると手術や医療がすごく身近になります。

そして表面だけをみて、自分もできると思ってしまうのでしょう。

すると浅はかな周りのボランティアさん、仲間内からは「ああ、すごいね。こんなことできて!」みたいな話になってしまうことも。

そうなってくると、これは週刊誌の言葉を借りますが【カリスマ的】な存在になってしまう。

「あの猫を助けてすごい 」っていうところから始まって、「え、そんな薬とか病気のことまで知ってるんだ」みたいな。

日頃から獣医師と関わっていると、いろんな知識を教えていただいたりすることも多く、まるで自分が獣医師と同等の知識を持っていると勘違いしてしまいます。

傷があれば抗生剤、去勢手術はこうやる、こういう場合はこうしたほうがいい。

診断過程や診断基準も分からずに、結論だけ、表面上はマネすることはできますよね。治療のリスクや万が一の対処はわからずにマネすることは。

そうすると更に周りの信者が持ち上げる。

一旦そうなってしまうと、もう後には戻れません。カリスマ的存在になってしまうと、もう戻れないんですよ。

すごい!と言われる自分でいなきゃいけない。尊敬される自分でいるべきという意識が強くなってしまうのではないかと思います。

そうでもないと、ついて来てくれるボランティアさんもいなくなってしまうんじゃないか。

寄付が少なくなってしまうのではないか。

寄付やボランティアさんが減ると、結果的に救える動物の数が減ってしまうんじゃないか。

そんな悪循環から抜け出せなくなります。

周囲の人間

本人がよろしくないのは当然として、周りの浅はかな人間もまた違反する環境を作っています。

なんかおかしいな。この人獣医師だっけ?

え?こんなことまでやってんの?大丈夫?

という通常の感覚を持つ人もいると思います。でもそういう人はスッと離れていくことが多いでしょう。

それが正解だと思いますし。関わりたくないですもんね。私もです。

代表者をカリスマ的に持ち上げるような人ばかり周りに残ってしまうということで、さっき言った悪循環にハマってしまってるんじゃないかなと思います。

伝えたいこと

繰り返しますが、報道の件は確定的じゃありません。

ただ同じようなこと、本当に違法行為じゃなかったとしても、同じようにもう引くに引けなくなっちゃっている団体やボランティア活動者はいます。

違法行為はなかったとしても、今やっている基準から下げたくない、下げられない。

そんな不要なプライドも含めて、自分がやらなきゃいけないという責任感に駆られて歯止めがかからないことは、十分あり得る話です。

保護活動は動物の命を救っていく重くて価値のある活動ですが、まあそれが故に後戻りできない状況に陥りやすいかなと思います。

動物に関わる活動や仕事をしている方は十分注意していただきたいと思います。

獣医師は自殺が多い職業ということも、これを証明しています。

辞めても大丈夫

仕事でもそうですが、「私がいなきゃ回らないんじゃないか」と思って辞められない人多いのですが、そんなこと絶対ないので安心してくださいw

残念ながら絶対ないので、本当に無理せずにできることをやることが、結局長期続けていくことができる秘訣です。

結果的に長い目で見れば数多くの動物を救えることになると思いますので、そういう意識で皆さんやっていっていただきたいなと思います。

今まさに一緒に保護活動をしている人の行動に「ん?」と思うことがあれば、勇気を持って離れてください。

ゆくゆくは自分の身も亡ぼすことになります。無理せず、自分でできる範囲でやる。これが最重要です。

常々願っていることですが、改めてお伝えしたく記事にしました。

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