ペットショップでの注意点

ペットショップ「クーアンドリク」の客が怒りの告発 買ったばかりの子犬が瀕死で入院中なのに…店長は「治療費は払えない、交換ならできます」(抜粋) | デイリー新潮全国に200店舗以上を展開するペットショップ大手「Coo&RIKU」(クーアンドリク)で、契約トラブルが続出していwww.dailyshincho.jp

今回のペットショップのひどさは、以前からペット界隈では有名でした。ただ、今回声を上げた方のように初めてペットを迎える方はそんなこと知らなくて当然です。

その分野の専門家ではない限り、大手なら安心という感情は誰しももっていると思います。

車の専門家じゃなきゃ、BIG M〇TERで買ってしまいますもんね。

今回は記事の内容に沿って、ペットショップで購入する際に、知っておくべきことをお伝えしたいと思います。

様々な事が記事の中に記載されていますが、契約内容や対応自体のペットショップに限らない世間一般的な部分はキリがないのでスルーします。

音声配信もしてます

輸送疲れの下痢

ケージ内が汚物まみれの犬について、「輸送疲れで下痢しているだけです。1週間くらいお待ちください」と店員の説明があったようです。

確かに輸送や環境変化によるストレスにより下痢をしたりすることは十分に考えられます。

この場合数日で治るため、数日後に治りましたと説明されれば、そこに嘘はないことも十分にあります。

ただ、そんな状態であることを一般客が確認できる状態は異常です。

これだけで、そのペットショップの管理を疑いにかかる十分な条件になります。

繰り返しますが、移動ストレスで下痢を起こすことは想定されます。頻回の水下痢で掃除が間に合わないこともあります。

このようなケースは稀ではないと思いますので、まともなショップならそのような状態のうちはバックヤードで治療に専念します。

そのためのバックヤードや、隔離期間という場所と時間的余裕を設けます。

それができていないことは、そのショップを疑うのに十分なのです。

フードの長期契約

5年縛りのフード定額プランというものが記事の中で紹介されています。
生命保証制度(原文まま)と合わせて入ることで半額程度になるという、抱き合わせ商法です。

とてもお得に見えますよね。

抱き合わせ商法自体にはここでは言及しませんが、フードの長期契約については警告を鳴らしたいです。特に子犬子猫のときは絶対に辞めてください

なぜなら、食物アレルギーが出るかもしれないからです。

食物アレルギーは早くても生後3ヶ月にならないと発症しません。

5年も契約したそのフードがアレルギーの原因になる可能性があるのです。

これは稀な事例ではありません。

食物アレルギーになった場合、治療のためにフードを変更を余儀なくされるのは想像できますよね。

実はその前に、診断の段階で長期間のフード変更が必要になります。
細かい話をすると、除去食試験という、フード変更による症状の変化を診るという診断行程があるのです。

つまり、食物アレルギーを疑う所見が出た段階で、その間のフードは無駄になります。

動物病院で診察をしていると、フードの長期契約をしている方はフード変更を拒みます。

飼い主たっての希望でフード変更なしで診断にこじつけようとしたこともありました。

しかしやはり、こじつけになるし、診断はグダグダ、当然治療もグダグダになります。

誰も得しません。

安心パックで安心は得られない

今回のペットショップでは安心パック58,000円を販売していて、ワクチン、メディカルチェック、虫下しなどが含まれているようでした。

結論からいうと、安心パックで本当の安心は買えません。

例えば、記事内で紹介されていたお腹の寄生虫について。

お腹の寄生虫は基本的に糞便検査で検出しますが、確かに、虫がいても見つからないことがあります。これは検査の特徴上、仕方のない事実です。

なので、糞便検査は複数回実施がベターです。

今はいい薬が数多く出ていて、メジャーなお腹の虫数種類に同時に効く薬を使うことが多いです。このような薬は副作用もほぼないため、虫が検出されなくても投薬することも、糞便検査なしで投薬することも現実問題として、あります。

このような背景からほぼルーチンでやるような虫下しを安心パックに入っていると思われます。

ですが当然、その薬がすべての寄生虫に効くわけではありません。

記事にも出てきたジアルジアは、今言及したような薬では駆虫できないため、別の薬を使う必要があります。

そもそもジアルジアはその特性上、回収したばかりの糞でないと検出しにくいため、雑な糞便検査では見逃す可能性もあります。

ジアルジアに限らずですが、糞便検査は複数回やることがベターですし、自分で動物病院に連れて行って、実施する検査やその意味を獣医師の口から直接聞くほうが確実&安心しませんか?

このような安心パックは最初の医療として否定しませんが、本当に安心するためには複数回の動物病院受診が必要になります。

そして動物病院の受診により、自分が納得できます。
安心パックで安心せず、お迎え後は健康診断をお勧めします。

そこで信頼できるかかりつけの獣医師を見つけて下さい。

本当に安心度合いの高い安心パックを提供しているショップもあると思います。
購入前に、誰が、何を、なんのために、やっているかを明示してくれるはずですから、積極的にペットショップの店員さんに確認しましょう。

MIX犬の闇

今回のMIX犬も例外なく単なる雑種なのですが、あえてここではブリーダーが作っている交雑種第一代(F1)はMIX犬といいます。(雑種というと野良出身日本犬MIX何世代目みたいなのを想像してしまうでしょうから)

まず純血種というのは何年も何十年もかけて改良をしてきたものです。

使役のため、愛玩のため、その犬種によって様々な目的があり、歴史的背景もあります。

問題が発生したらそのかけあわせを避けてやり直したり、基準から外れたら認定されなかったり。

とてつもない長い時間の先に今の純血種は存在しています。

しかし、可愛いから流行るという理由だけで安易に交配して流通させるブリーダーがいます。

私も純血種に詳しいわけではありません。

しかし純血種を創り上げてきた先人たちの苦労と努力は想像できます。

MIX犬のブリーダーをひとくくりにするのは少し躊躇しますが、先人たちの苦労と努力を想像することもなく、後天的な疾患発生を追うこともなくMIX犬を流通させるのは、とても安直だと言わざるを得ません。

そして今回、ジアルジアと糞線虫の大量寄生が判明しています。

ちゃんとしたブリーダーならこうはなりません。

ここからは想像でしかありませんが、よっぽど劣悪な環境でブリードしているのでしょう。

もしくは、出す前のメディカルチェック等を怠っているのでしょう。

はたまた両方かもしれません。

MIX犬を安直に作出、流通させるようなブリーダーです。犬へのこだわりは薄いでしょうね。

こういうリスクをはらんでいるのが、最近流行りのMIX犬だという認識は持っておいて損はないと思います。

最後に

当院は外猫問題や多頭飼育問題に向き合っている動物病院なので、最後に一言だけ書かせてください。

ペットショップの存在自体を否定もしませんし、なくしたいとも全く思っていませんが、保護動物の里親になるという選択肢もあることを頭の片隅に置いておいてくれると嬉しいです。

かわいそうな動物を救ってください!と同情を誘っているわけではありません。

譲渡には譲渡の長所があります。

成犬成猫であれば、性格も好みもわかっていて、初めて飼う人やしつけに自身のない人でも、ぴったりの子が見つかります。
これが譲渡の最大の長所です。

このあたりについては、また別途記事にしたいと思いますので、完成次第リンク張りますね。よろしくお願いします。

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