ペットフード協会が実施した調査の深掘りです。眺めていて色々想像をかきたてる調査結果で大変興味深いので、是非他の項目ものぞいてみてください。
下がリンクです。
https://petfood.or.jp/data/chart2023/index.html
こちらが今回の該当部分です。
https://petfood.or.jp/data/chart2023/8.pdf
生涯費用と寿命
猫1頭飼育するのに必要な生涯費用は約150万円です。
平均寿命は15年です。
2頭飼っている人は300万円、5頭飼っている人は750万円、10頭飼っている人は1,500万円を15年で使う計算です。
10頭飼ってたら家が買えるほどですね!これが用意できない場合、多頭の保護活動は厳しい…まさにミイラ案件になります。
外にでることがある猫より、外に出ることがない猫のほうが経費が高くなる傾向があります。
これは、常に室内にいることが多いと異変に気が付くことができるためであると推測します。
寿命は外に出ない方が2.5年ほど長くなります。異変に早く気づくことができたり、ストレス負荷が少ないことが要因でしょうか。
いわゆる野良猫の寿命は5年程度といわれますが、飼育猫でも外に出さない方がいいことは明確ですね。
次に猫の年齢別、年間にかかる費用です。
表だと見にくいのでグラフ化したのが下になります。
外に出る猫では、7-9歳程度に費用のピークがきます。
外に出ない猫では逆にその年齢が一番費用がかかりません。
外に出さない猫では、幼齢期にはワクチン等の予防等で費用がかさみ、高齢になればなるほど治療に費用が必要になることが予測されます。
外に出すような飼い方をしている場合、ワクチン等の予防を徹底できていない現状が必要経費から見えてきます。
大切に飼っているから完全室内飼育だしワクチンもしっかりやるという飼い主さんが多い一方で、危険が多い外に行くにも関わらず予防を徹底できていないのは、獣医師として悔しいです。
実は飼い主さんとの会話で外猫だからワクチン打たなくていいという方もいれば、室内だからワクチンいらないという方もいます。
それぞれ打った方がいい理由(というか推奨アプローチ?)は少し異なりますが、打った方がいいことに変わりはありませんので、獣医師としてより丁寧なインフォームを意識する必要があると再認識しました。
野良猫はこの調査の対象外ではあります。
当院の患者さんの場合、外の飼い猫でなく野良という認識で、お金を手術以外にかけられないことが理由でワクチン未接種のケースが多いので、ワクチンの推奨は更に難しいところです。
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