ふたつの視点

先日の橋本先生との対談をYou Tubeにあげています。ぜひご覧ください。

橋本先生との対談

この対談の深掘りを数回に分けてしていきたいと思います。今回は第二弾。

音声配信はこちら

唯一の違い

橋本先生が対談で語ってくれたことは、私が主張していることと一致していたと思います。

私の主張とは、細々とこのブログやYouTubeで発信してきたことです。

なので、橋本先生がこれからやっていくことは私も参考にさせていただきたいし、応援しますと締めくくりました。

ただ、対談を通じてずっと、ひとつだけ大きく異なることがあったのは皆さんお気づきでしょうか。

視点の違いです。

橋本先生は一貫して臨床獣医師目線で語っていたと思います。

動物のための獣医師。もちろん完全に動物のため、人のことは考えていないというわけではないです。

でも基本軸はずっと臨床獣医師の考え方だったと思います。

「術後の健康状態がわからないのは怖い、獣医師として責任持ちたい」

という言葉はそれを明確に表していました。

一方で、山形は元が公衆衛生獣医師なので、地域の課題解決を軸にこの活動に取り組んでいます。無論、動物のことは一切考えていないわけではないです。

このふたつ、優劣ではありません。

私は臨床獣医師目線を忘れてはならないし、橋本先生をはじめとする臨床獣医師も公衆衛生の視点を持つべきです。

臨床獣医師からスぺイクリニックを始める先生と、公務員からスぺイクリニックをはじめる獣医師がいます。

誠に勝手ながら、偏見かもしれませんけど、臨床獣医師出身のスぺイクリニックの先生で地域の課題解決まで考えてる方はほとんどいないと思います。

というか、気づくことができないのではないかと思っていました。

こう思っていたので対談で山形は

「依頼された手術を受けるだけでは気づくことができないのでは」

「病院内にいると気づくことができないのでは」

という聞き方をしています。

しかし橋本先生は、依頼者のボラさんからの話によく耳を傾けて、課題をみつけて、今回の決断に至りました。

協力病院の縛り

基金のチケットを利用していると、依頼があったら断るわけにはいきません。

つまり、基金の判断にゆだね、基金のルール内でやることになります。

「協力病院」なので、当然です。

「手術をするという形でどうぶつ基金さんに協力します。」という宣言なので。

端的にいえば基金の病院であり、そこに院長の考えは挟み込みずらいということです。

本音をいうと、橋本先生にはそこは基金と議論して欲しかったです。

もしかしたら、受け入れの可否を病院側に任せてくれるかもしれませんからね。

(これやるとお互い本当に大変&トラブルは避けられないと思いますが)

行政枠を忌避する理由

どうぶつ基金には行政枠という、都道府県や市町村が基金を利用できるという制度が用意されています。この行政枠を利用した場合も基金のルール内でやらなければならなくなります。

この行政枠、私が拒否反応を示しているのはブログの読者さんならご存じかと思います。

これを利用すると、基金が実権を握る形になります。基金のルールで運用しなければならないから。

「市が基金の行政枠を利用する」とか言いながら、基金に利用されることになります。

利用するのは市町村でいえば環境課が担当になりますが、動物愛護を優先せざるを得なくなるケースも耳にします。基金のルールを守ったり、基金の主張を飲むとどんどん動物愛護に傾きます。

これを僕は「環境課じゃなくて、動物愛護課になるつもり?」なんて言ったりしてますw

ひどい場合は、役場の職員の心が折れたりすることもあります。

軽い弊害が出たケースは、先日のYouTubで話しました。

公衆衛生の向上に貢献する臨床獣医師

話がそれましたが、橋本先生は自分のやっていることに責任を持ちたいという思いを、臨床獣医師目線で考え判断されました。

加えて公衆衛生目線も持つようになっているのだと思います。

対談のあと、私のブログ「無料手術の弊害」はよくよく読んで、決断の後押しになったと言ってくれました。

https://note.com/ysnc/n/nfc83d0c83ed6

きっかけは、術後の猫の様子が知りたいということかもしれませんけど、それを追いかけていけば、地域猫やTNRによって地域の課題がどうなっているのかを自然と把握できるはずです。

公衆衛生獣医師としての目線も併せてこれから活動の仕方を試行錯誤していくようなので、本当に楽しみです。

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