前回、前々回と保健所の動物引取り拒否について解説しました。
引取り拒否は、動物を救うことも、公衆衛生を守ることもできなくなるケースがあります。
にも関わらず保健所は引き取りを拒否したがる理由は何でしょう。
引取り拒否の裏事情
保健所や愛護センターは収容数を減らしたのです。その理由は主にふたつ。
- 収容キャパがいっぱい
- 殺処分したくない(殺処分ゼロを自慢している)
収容キャパが限界
少ない職員で多くの動物を管理するのは本当に大変です。収容数は少ないほうがいいに決まってます。
収容数がキャパオーバーになってしまうとそこから先は殺処分をせざるを得ません。そりゃ誰だって嫌ですよね。
殺処分したくない(殺処分ゼロを自慢している)
しかし、そこで殺処分ゼロを謳っていたらどうしましょう?
キャパオーバーの施設に無理くりねじ込んで管理するのでしょうか?
これについては、以前記事にしていますのでそちらを参照ください。
要は殺処分ゼロを継続するために引取拒否を行うのです。
うえの記事では神奈川県を例に出してしまっていますが、神奈川県は単なる引取拒否ではなく、もっともっと現場に出て、先手先手で引き取り数を抑えるための指導助言を行っている信じています。
本来はこれこそが行政の仕事です。応援しています。
今回話題にしているのは、最後の段階で保健所が引き取らないとどうしようもないにも関わらず拒否してしまっている保健所ですから、そこは勘違いなさらないようにお願いします。
引取り拒否によって達成する殺処分ゼロは問題をマスクしているだけです。
そのうらで動物愛護団体がひいひい言いながら保護譲渡をしています。
まとめ
ということで、3回にわけて解説してきましたがいかがでしたか?
私はこの3回で説明してきた理由から、野良犬猫として放たれるなら保健所に引き取ってもらったほうがいいと考えています。
それこそ安易に飼うような人がその場は里親になってくれたとしても、初期医療もかけないで飼い始めて、またそこで問題が発生します。問題が左から右に移動しただけです。
今の保健所、愛護センターは、特に千葉県は、本当に頑張って収容動物の管理をしています。数字を見ても、ほとんど殺処分していません。
この現状を鑑みると、【保健所引取=悪】という固定概念を少し和らげても良さそうに思えませんか?
この考え方が世間に浸透すると、散々収容数と殺処分数を減らしてきたにも関わらず、また保健所収容数が増えてしまいます(笑)
それはあまり現実味はないかなと思ってますが、この記事を読んでくれた人だけでも、【保健所引取=悪】という固定概念を少し緩和し、放置されるくらいなら保健所に「保護」してもらったほうが100倍マシという考えに至ってもらえると嬉しいです。
だから私は、ケースによっては保健所引き取りを提案することもあるのです。
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