先日X上でこの話題に触れたところ、色々意見をいただいたのでもう少し詳しく記事にします。
まず最初に勘違いしてほしくなくて伝えておくべきだと感じた2つを。
・販売じゃない?と疑われるようなら堂々と販売にすべき
・保護動物を販売することすべてが悪ではない
まずつぶやこうと思った最初の理由として、怪しい団体はちゃんとやれって言いたかったということ。
保護動物の販売自体は私は賛成。理由は後ほど。
ですが、その前段階として、怪しまれる活動や本当に悪徳保護ビジネスは辞めろという主張であることは最初に言っておきます。
で、みなさんに勘違いさせてしまったのかもしれませんが、とある活動団体が保護動物をすべて販売するか、すべて譲渡するかの2択ではありません。中には販売として利益を上乗せして出す個体がいてもいいよねってことです。
ビジネスとして成り立つとは思ってません。つまり全て売れる前提ではありませんし、その活動で人の生計を立てるところまでは無理だと思います。
「保護動物の販売」と聞いただけで反射的に、全か無か。すべての個体を販売することや、その販売利益で生計を立てるイメージを持っていませんか?
そういう議論ではありません。それを前提にするから、すべて悪だ!という意見になっているのだと感じました。
現状
法令上、かかった費用を請求するのは販売にあたらないということで、譲渡として第二種動物取扱業でできます。
多くの保護団体はこれを適用させて譲渡を進めています。
やはりグレーな部分があって、経費が不明瞭だと法的に白黒はっきりしない。
医療費は明確にわかるとして、保護するために使った他の経費、例えば人件費、交通費まで含むと、それこそ何万円という金額になることもあります。
その経費を乗せると、常識的に考えて譲渡とはいえないような値段になってしまいます。
でもそういう経費になってしまうことはありえる話です。
経費を明確に記載して、結果10万円ですって里親募集するのは法的にOK。それでも里親になってくれる人がいるならそれでいいのです。
ただ、やはり疑われ続けると思いますけどね。
だったら最初から「販売」にして、第一種動物取扱業のもと、やればいいんじゃないかなと思った次第です。
保護動物ビジネス許さん
悪徳保護動物ビジネスがあって、それを許さんという意見は多かったです。
確かにそうかもしれないし、そのせいで保護動物を販売という言葉を使っただけで批判が集まる原因になっていると思うので、私自身も許せないです。
ただ、ナイフは人を殺せるという理由でナイフ持ってる人全員批判するのは違いますよね。
同じ理由で、保護動物の販売=悪と認識するのは勿体ない、というか非常に残念です。
だから保護団体は堂々と販売してますと言えないんですよ。印象悪いのでしょうね。
しかし繰り返しますが、保護動物の販売でビジネスを成り立たせることを推しているわけではありません。あくまで、一部に利益を乗せてもいい、それなら第一種動物取扱業のもとやるべきということです。
販売を推奨する理由
理由は2つあります。
・健全な保護活動を推したい
・本気で成犬成猫のほうが価値があると思っている
保護動物を販売した人すべてが批判されてしまうと、本当にいい活動をしている団体がやりにくくなります。
保護して譲渡するのは苦労も多いし、コストもかかります。
持続可能な活動にすべきです。
持続可能性=保護すべき動物がいなきゃダメ?
持続可能性を求める場合、利益をあげなければなりません。利益ガバガバあげる必要はなく、次の活動費を安定して確保すると言う意味です。
「持続可能って、保護動物いなくなったら困るってことじゃん!」という意見もありました。
そういう意見の方に聞きますが、保護動物がいなくなる日本、いなくなる道筋、見えてるんですか?あとどれくらいでその未来が来ますか?
将来を考えるのは大切ですが、将来すぎませんか。少なくとも私は、保護動物がいなくなる未来はまだ見えていません。道筋も。減る未来は見えますが。
新規事業立ち上げるとき、GAFAMに真似されたらどうしようって考えます?
そういう人たまにいるらしいのですが、それスタートアップが今心配することじゃないですよね。
それと同じです。
保護すべき数は減ってくるとは期待してます。でも規模が変われば、活動も縮小すればいいんですよ。
それこそビジネスじゃないんだから。
成犬成猫の価値
私は以前から成犬成猫の良さを語っています。とんでもないシャーシャーや噛みつき犬はひとまず置いておきますが、成犬成猫は色々わかっていることが多いです。
性格、好きな爪とぎ、食べ物、人馴れ具合、病気の程度などなど。
このあたりはこちらの記事で確認してもらえると嬉しいです。
成犬成猫の良さがわかってくれた人は、その価値にお金を払ってくれるはずです。
見積もりが甘いかもしれませんが、私ならそうです。
本気でそこに価値を感じるので、私は値段を堂々とつけることができるといいなと思い、保護動物の販売行為を推しています。
ソファーで爪とがなくて、落ち着きがあって、人馴れしてる子がいい。
落ち着き求めたら年齢高めになるけど、腎臓多少悪くても、ある程度かかる治療費がわかってるから許せる。
みたいな。
一般受けは難しい
保護した動物を販売しているという行為は、一般に受け入れられるのはかなり難しいことは承知しています。
「慈善事業で利益を出してはならん」という日本人特有の感覚が背景にあるのも薄々感じます。
世の中を敵に回すと、寄付金も集まらなくなるもの想像できます。
だからやりにくいのは確か。でも私はそれができる団体を応援したいです。
規制の弊害
この記事を読んで、第一種動物取扱業の登録をして一部の動物の譲渡には利益を乗せよう(=販売しよう)と考えてくれる団体がいてくれると嬉しいのです。
が、今、第一種動物取扱業を運営するハードルはあがりました。
先の動物愛護法改正で、第一種動物取扱業の責任者要件が厳しくなったからです。
つまり、慈善事業を持続可能にするために、保護動物を販売するというひとつの手段を選べる人が少なくなりました。
選択肢がひとつ減ったのです。
だから私はどんどん規制することに慎重派なのです。
悪者を取り締まりやすくするための法改定はいずれ自らの首を絞めます。業界の自浄作用はなくなり、どんどん「闇」業者の温床になる可能性を危惧しています。
ほらね。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024021500616&g=soc
そのあたりも記事にしてありますので、興味ある方はぜひ読んでみてください。
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