保護時に最期までは考えられない

先日、成猫保護フローチャートを厳しめに作成しました。

厳しいフローチャートをクリアして野良猫保護に手を出して欲しいと願うのは、保護に携わる人の共通の思いです。

しかし、一方でハードルあげすぎ問題があります。保護も譲渡もハードルをあげすぎると、せっかく関わろうとしてくれた方が嫌煙してしまいます。

音声解説はこちら

いきなり保護は決められない

私は保護した時にかかる費用や大変さを理解しているので、安易に保護はしません。

一般の方も同様に、これからやろうとしていることが想像を絶するほど大変だとわかれば、手を引くケースも少なくないでしょう。

あなた、その猫を保護するなら生涯150万円かかるけど用意できますか?との問いに、「はい!」と即答できる人は珍しいです。

むしろ、即答するような人は疑いたくなるくらいです。

※猫の生涯飼育費用は150万円程度との調査結果(ペットフード協会)

トライアル

譲渡する際、里親希望者さんのところでトライアル期間を設けることがほとんどだと思います。

トライアルする理由は、飼い主が本当に飼っていくことができるかどうかを見定めるためです。

具体的には、その猫の性格をみたり、飼い主や先住ペットとの相性を見たり、少し気になることがあればそれに対応できるか挑戦したり、調整したり。

トライアルは猫にとっても、里親希望者にとっても、譲渡側にとっても欠かすことのできない大切な時間と認識しています。

しかし、保護の時はトライアル期間を許さないというのは、結構厳しい意見だなと思います。

保護の場合「トライアル」という表現は正確ではないかもしれませんが、その猫と実際に関わってみて自分が最期まで飼えるか判断するための時間は必要です。

「いつの間にか」を大切に

ペットを飼っている多くの人は、自分が思っている以上にそのペットに費用を費やしていると思います。

猫であれば、15年間可愛がった結果、いつの間にか150万円かけていたということであり、最初から150万円用意して飼い始める人はそうそういません。

私はこの「いつの間にか」を重要視しています。

いつの間にか保護した猫に愛情が湧き、幸せになって欲しいと思うようになり、いつの間にかお金をかける。

これでいいと思っています。これがいいと思っています。

え?詐欺師みたい?そうです、猫は詐欺師ですw

いつの間にかはまってたって、中毒みたい?そうです、猫は中毒物質ですw

意味がない脅迫

稀に、お金がかかることだからあなたには無理という言い方をする人がいますが、それはあまり意味がないと思っています。

そんなことを言う人も、今すぐ生涯飼育費用を耳揃えて用意できるとは限りません。

さっき出会った見知らぬ猫を初手で可愛がれる人は、ごくごく少数派です。まずはこの事実を理解すべきです。

あなta

には無理と言われた人も、その猫に関わっていく中で少しずつ自分でできることも増えてきます。

私はそれを期待して、アドバイスするように心がけています。

導入部分でハードルをあげすぎることは、意味がないどころが、この界隈に関わってくれようとしてくれる人を拒絶しています。

フローチャートはあくまでフローチャート。結果5にたどり着いたら終わりではありません。

結果5を結果3まで持っていくことができるのは、保護譲渡経験の長い先輩方のアドバイスです。

そんな優しい世界になって欲しいと願っています。

注意点

ひとつだけ、注意点があります。

家の中に保護して何日も世話をして、「やっぱり無理」と元居た場所に戻す行為は、動物の遺棄という犯罪になる可能性があります。

明確な基準はありませんが、保護して初期医療が終了するまでには、飼うのかリターンするのかを決めましょう。

関連記事

  1. 「保健所からのレスキュー」は違和感

  2. 多頭飼育の動物をゼロに。その先の懸念

  3. 成猫保護フローチャート

  4. 保護団体に譲渡委託金を支払いたい

  5. 地域猫活動FAQ

  6. ミイラ取りがミイラになる

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP