令和6年能登半島地震で被災された方及び動物のご冥福をお祈りいたします。
そして今回の地震で被災地にかけつけて支援を行っている公的組織に敬意を表します。
正直にいうと、ある動物保護団体の身勝手な支援活動が目についたため、今回記事にしています。
ただし目的はその団体の非難ではなく、動物界隈のレベルをあげることです。
支援する側、支援される側、そして支援する人を応援する側。
つまり動物問題に関心のある方全員の意識をもう少し高いレベルでもってもらいたいという思いです。
その団体が発信している内容だけで判断しているので、私の認識と事実にズレがある可能性も承知しています。
その団体を例にあげながらの解説になりますが、動物界隈全体が注意すべきこととして届くといいなと思っています。
被災地支援の基本
被災地支援の基本は、現地が欲しているものを、欲しがっているタイミングで、現地に負担をかけることなく提供することです。
これは現地の情報を把握してそれに合わせて支援する必要があります。基本は要請があったらそれに応えるのが正解です。
現金を被災地に直接振り込むことがいつでも、特に難しいことを考える必要なくできる支援です。
令和6年能登半島地震の義援金の振込先を置いておきます。
詳細はリンクから確認してください。
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/gienkinr0601.html
被災地支援のタブー
今回私が目に余る活動だと思った理由は主に3点
- 早すぎる現地入り
- 現地入りする準備不足と現地資源の消費
- 二次的被災の可能性
この記事を読んでくれている人の中には、今や被災地支援のタブーとして当たり前になっていることをやっている団体があるのかと突っ込みたくなる人もいると思います。
ペットを除いた、基本人の災害支援では当たり前になっていますよね。
実際、今回の地震ではそれで非難された著名人は多いです。政治家からYouTuberまで。
でも、これがペット界隈になると賞賛される傾向にあります。
これではダメだと思うのです。
ということで、今回は実際にあった上記3点について私が気にしていた団体が行った具体例とともに注意喚起していきます。
早すぎる現地入り
まず、元旦に地震が発生して3日後の1月4日には現地居ました。
石川県はしばらくの間、能登には来ないでと発信しています。
自衛隊をはじめとする公的支援車両が渋滞発生などにより、支援が遅れるからです。
また、安全確認がされていない道路を素人が通過すると、もし事故にあった場合ミイラ取りがミイラになります。部外者が二次的被害を増やすことになるのです。これは二次的に被災する可能性にもつながります。
このようなことから、要請もないのに現地入りしたり、物資を送ることは避けるべきなのです。
にも関わらず、動物を助けたい一心で現地にかけつけてはいけません。
現地入りする準備不足と現地資源の消費
例の団体は避難所に泊まったそうです。
避難所は避難者が一時的に過ごす場所であり、部外者の使用は許されません。
支援に入る人は、自分の衣食住を確保したうえで入るという基本中の基本もできていない人は論外です。
これは現地の資源の消費にも該当します。
現地資源は衣食住だけではありません。
例の団体は、自衛隊の力も借りていました。
倒壊した家屋の下で鳴いている犬を救出するために、がれきの下にもぐり込んでいます。
この時、ヘリで現地入りした自衛隊員2人の手を借りたと報道されています。
自衛隊は、犬を助けるために勝手に現地入りした人を助けるために派遣されているわけではありません。
そこに手を貸していなければ、その自衛隊の方の時間と力で本当の被災者がもう一人救出できたかもしれない。
犬は救出されたので、それで飼い主である被災者が喜んだことは確かに間接的に支援になると思います。でもそれは結果論です。
これは次の二次的被災にもつながります。
二次的被災の可能性
倒壊した家屋が更に崩れ、救出中にケガ、最悪死亡する可能性があります。
部外者が被災者になり、被害を増やすという最悪の結果です。
現地のリソースを奪うだけにとどまらず、被災者を増やすのは絶対に避けなければなりません。
また、例の団体は道が雪で通行止めになり予定どおり動けなくなって延泊したようです。
たまたま通った自衛隊の車について行って帰ったようですが、たまたま自衛隊が通らなければ慣れない道で事故を起こしていた可能性もあります。
更に延泊して、現地の資源である避難所を使う生活になっていたでしょう。
このような二次被害のリスクある行為を褒めたたえるべきではありません。
調子に乗ってさらに活動が加速し、いずれ最悪の事態が起こりえます。
報道と報道への反応
この団体の活動は多くのメディアで取り上げられました。
その内容は賞賛するものばかりです。
「余震もあり、危険が迫る中での救出劇」
「危険を顧みず」
だと。
ここまで説明したように単なる迷惑行為です。
賞賛する報道が続いた結果、この団体に支援金が集まっていることでしょう。
また大きな天災があれば更に大きな活動になるはずです。
これでいいのでしょうか。
ヒーロー気取りが加速したところで、最悪の事態が起こるでしょう。
そうならないためにも、報道に疑問を感じる視野を持てる人が増えて欲しいと思います。
最後に
被災地支援の在り方は、大震災が起こるたびにアップデートされています。
人の支援において上記のような支援をした人は批判されています。
批判自体をよしとはしません。
しかし、よろしくない支援の仕方に疑問を呈する人がいない業界は発展しないと思います。
動物も同じも命だ。ペットも家族だ。
そう主張するのであれば、人間界隈と同じレベルの活動をし応援すべきです。
こんな迷惑行為を賞賛するような人の意見を、誰が聞く耳持つでしょうか?
この記事へのコメントはありません。