典型的な相談
「独居の義父が猫に餌を与えていたら、増えてしまった。去年は1匹だったのが、孫の代まで生まれて今や12匹」
猫の捕獲からお願いしたいということで、依頼者さん自ら保健所に捕獲器を借りてきてもらいました。当院の捕獲器と併せて10台で挑みました。本当はもう少し台数を用意したかったのですが仕方ないですね。
現場に行くと孫の代と思われる子猫が多数。みんな風邪症状もなく毛並みも抜群。これは冬まで放っておいたら本当にヤバイことになってましたね…順調にひ孫の代が…
全頭捕獲&手術作戦
第1日目朝 可能な限りの捕獲してすぐ手術。結果、7頭捕獲!➡昼には手術終了
第1日目夕方 我々が病院に戻って手術している間に捕まった猫を連れてきてもらう。結果2頭追加!先に手術済みの猫が入っていた捕獲器を再度設置。手術後の猫たちは洗濯ネットで我慢してもらいました。
第2日目朝 前日夕方から朝にかけて捕獲3頭追加!これにて全頭捕獲手術完了!!
2日連続でやることで、最大のメリット【1日目に捕獲した猫を放す前に、残った猫の捕獲器がかけられる】を活かして解決できた現場でした。
保健所との協力体制
捕獲器を保健所に借りに行ってもらったのは、2つの意味があります。
- 捕獲機の台数を増やす
- 保健所にも現場を把握してもらう
保健所にも現場を把握してもらうことで、今後も監視の(といったら大げさですが)目が行き届きます。私も手術後の様子は伺ったりするのですが、見守る目は多い方がいいです。せっかく手術したのに、餌を与えっぱなしにしていないか、新たな猫を増やしていないかは継続的に確認しなければなりません。
今回の現場は、近所から保健所に苦情が入っていたようです。ただ、どこが元凶かは把握できていなかったようです。もしかしたら、近所に別の元凶があるかもしれません。保健所から当院へは情報提供してくれませんが、当院から保健所へは依頼主の許可等があって可能ならば情報提供します。今回は依頼者が自ら保健所に行く形で把握してもらいました。なかなか行政から民間への協力依頼は、個人情報や斡旋と言われる可能性があり難しいのは理解できます。そのため民間である当院から協働を働きかけています。
当院初の実習生
余談ですが、当院に初めて獣医師の実習生が来ました。実習生は一般動物病院や他のスペイクリニックでの実習経験はあるようでしたが、猫の捕獲は経験がないとのことでした。そりゃそうですよね、捕獲からやってる動物病院なんてほとんどないことでしょう。
「こんな簡単に捕まるんですね~」なんて言ってましたが、細かい技術というか注意点というか、効率よく捕獲するテクニックはあるのですよ。ぱっと見じゃわからないようなこところですけどね。保護団体さんなんかは、この点大きく頷いてもらえると思いますが(⌒∇⌒)
にしても今回は全頭完了100点満点の出来でした。
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