人生会議(アドバンスケアプランニング)

人とペットの防災クラブ(Twitterアカウントはこちら)というボランティア団体さんが主催する、人とペットの防災シンポジウムに参加させていただきました。

その中で地域包括支援センターの方の話がおもしろかったので、紹介します。

川口市はさすが、地域包括支援センターが20か所もあるんですね。

今回は鳩ケ谷西部地域包括支援センターさん(FBページはこちら)が、アドバンスケアプランニング(略:ACP)の話をしてくださいました。

この横文字で馴染めない正式名称から、今は「人生会議」と呼ばれるようになっています。

人生会議とは

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、患者さんを主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、患者さんの意思決定を支援するプロセスのことです。患者さんの人生観や価値観、希望に沿った、将来の医療及びケアを具体化することを目標にしています。

東京都医師会HP

将来の人生をどのように生活をして、どのような医療や介護を受けて最期を迎えるかを計画して、ご自身の考えを心づもりとしてご家族や近しい人、医療やケアの担当者とあらかじめ表しておく取り組みをアドバンス・ケア・プランニング(ACP)といいます。愛称として「人生会議」と呼びます。環境や体調の変化により、繰り返して話し合いを行うプロセスでもあります。

東京都医師会HP

先にあげた事前指示書と異なる点は、事前指示書は自分の思いをあらかじめ提示しておくことが主なポイントですが、人生会議 ACPはご家族や医療やケアの担当者と話し合って確認するという行為が大事な点です。今後の人生をどのように過ごして、どのような医療やケアを受けたいかをご家族や専門職との話し合いの中で決めて記録に残すとよいでしょう。

東京都医師会HP

麒麟川島さんがエエ声で「あなたも人生会議してみませんか?」っていう動画を厚生労働省が作成しています。

涙腺を刺激してくる動画になっています。

川口市鳩ケ谷西部地域包括支援センターの取り組み

川口市鳩ケ谷西部地域包括支援センターさんは、『勝手に人生会議啓発ポスターをみんなで作ろう企画!』というものをやっています。

シンポジウムの中で、この人生会議のポスターをひとつ紹介されていたんですが、すごい味のあるポスターだったのでここに貼っちゃいます。

後ろ足は車いすで元気にあるく雑種犬のジョンと、その後ろを歩くひとりのおばあちゃんの写真。

単純にどこかほっこりする写真ですよね。

包括として、人生会議を周知するために実施している取り組みですが、このポスターだけで心を動かされてしまいました。

川口市鳩ケ谷西部地域包括支援センターのフェイスブックページ(FBページはこちら)に詳細が載っているようですので、興味ある方は覗いてみてください。

ペット版人生会議?

さて、この人生会議に近しい取り組みは動物業界でもありますよね。

ペットのいるご家庭で、特に高齢の方が飼っている場合、なにかあった時のためにペット情報カードを作りましょうという取り組み。

行政でこのような記入できるリーフレットを作っていることもあるし、動物愛護団体さんが作成して配布していることもあります。

https://www.city.minato.tokyo.jp/seikatsueiseisoudan/documents/petcard.pdf

同じような取り組みなのに、医療従事者からは医療について、福祉従事者からは福祉について、動物の専門家からはペットについて別々に案内されています。

そうではなく、どの分野も一緒にできるといいのにと考えました。

人生会議では、家族と医療と福祉ケア担当者との話し合いで決めるとされていますが、そこに動物の専門家も入れて欲しいですよね。

川口市はわたしの備忘録~マイエンディングノート~というノートを発行しています。

この中に、「大切な人たち」という家系図や、特に近しい人へのメッセージをつづるページがあり、そこにペットのことを書く部分が設けられています。

これはいいですよね。

わがままになってしまいますが、ペットの情報はとても乏しいものでした。

・動物の種類

・性別

・名前

・生年月日

・なにかあった場合は〇〇

これだけです。

先に紹介した動物部局が用意するペット情報カードには、大抵の場合これらに加えて、かかりつけ病院、持病、飲んでいる薬、マイクロチップなども記載する欄が設けられています。

こういうことを加味すると、人生会議をして、エンディングノートを作成していく過程には、動物の専門家が必要になるのではないか?と感じました。

同時に、『福祉現場に獣医師を』を合言葉に活動している当院が最適であると思いました。

最後に

この記事を読んで、当院の活動が気になった福祉従事者さんがいたら遠慮なくお声掛けください。

お待ちしています。

終活では、ペットやエサを与えている野良猫さんのことも考える必要があります。

ペットのことも、人生会議してみませんか?(エエ声で)

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