福祉現場における動物問題は、福祉従事者の協力なしには解決できません。とあるケアマネさんのストーリーをご紹介します。
若者の説得
ある猫保護団体の代表者さんは、普段福祉施設に勤務しています。職業柄、福祉現場での動物問題をよく耳にしているそうです。その団体での保護やTNRをはじめ、手術等を含めたケアを当院で受け持っています。
先日、団体代表者の紹介で50歳程度と思われる男性が猫を連れて来院されました。その福祉施設のケアマネージャーさんでした。実はこのケアマネさん、以前は不妊去勢手術なんて可哀想、する必要がないという考えだったようです。
しかし、職場の後輩である団体代表がイチから説明を重ねたことで、早期手術の必要性を理解されたとのことでした。
今では保護した猫の通院から里親探しまでの預かりボランティアを請け負っています。これにより、解決した福祉現場がありました。
この説得は誰にでもできることではありません。団体代表者の丁寧な活動に頭が下がります。
本人の柔軟性
改心も誰にでもできることではありません。自分より全然若い方に、猫の手術のことを聞かされても聞く耳を持たないのが普通といっても過言ではありません。
いつになってもしっかり話を聞き、(改心といったら失礼ですかね)考え方や意識を改められる素敵な男性でした。ケアマネージャーという仕事自体、そういう柔軟性が求められる仕事なのかもしれませんね。
私もそういう人間であり続けたいと思う出来事でした。
福祉現場での課題
福祉現場での動物問題は、福祉従事者の問題意識が低い傾向にあります。
しかしそれは仕方のないことです。福祉従事者も逃げているわけではなく、ご自身の仕事に専念しているのですから。
ただ、今回のように説得し、意識が変われば現場も変わると思います。まだまだ困りごとと解決方法が福祉従事者の頭の中でリンクされていないです。なにをすべきか、最初の一歩すらわからない状況なのだと思います。
そのためにも、できること、相談すべきことを啓発していきたいです。
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