私の記事を読んでくれている方はなんとなく感じているかもしれませんが、基本的に私は法規制に対して慎重派です。
前回、前々回は特にその気が強い発信になっているのではないかと思います。
規制に慎重な理由は
「業界の自浄作用が失われる可能性がある」です。
業界の自浄作用が失われる
法改定により規制罰則強化を唱えている人はこれが見えていないように思われます。
法規制を強化した場合、全日本国民に同じ条件が科せられます。
悪徳業者はもちろんですが、一般的なペット業界つまり動物病院、トリマー、ペットショップ、優良ブリーダー、保護団体、そして一般飼育者です。
悪徳業者や虐待犯を摘発するために法規制を訴えていますが、その規制はちゃんとやっている人たちにもかかります。
結果的に、ペット業界人の負担を増やすことになります。
記録、記録、記録!
資格、資格、資格!
研修、研修、研修!
のように、厳しい基準を担保する業務は増すばかりです。
これは小規模な事業者にとってかなり負担になります。
結果的につぶれてしまうのです。
厳しさの必要性
命を扱う職業や活動なので、厳しい基準が必要というのは正しい考え方だと思います。
他の業界でいえば、食品業界では、食品による健康被害を予防するために、食品衛生法や食品表示法で定められたの細かい基準を順守しなければなりません。
人の命を奪うこともある食中毒。それを予防するための規制がしっかりあるからこそ、食の安全安心が担保されます。
それを遵守するために食品業者はかなりのコストを割いています。
動物業界と違うのは、食品業界は大手のほうがしっかりやっていることです。
残念ながら動物業界、大手ほどひどい管理であるような気がしてますよね?
最近のニュースは記憶に新しいと思います。
大手は揃ってダメ!とは言いません。本当に悪徳なのは一部でしょうしね。
小規模優良ブリーダーへの過負荷
規制強化を望んでいる人たちは『犬を迎えるならブリーダーから♪』と、大手ではなく数頭しか所有していない小規模個人ブリーダーから犬を購入することを理想としています。
※イメージ図
しかし、規制強化により一番負荷がかかるのが、その理想とされる小規模個人ブリーダーなのです。
もちろん頑張ってやり続ける人もいるでしょう。
でもやはり辞める人も少なくありません。
優良ブリーダーからお辞めになり、その業界の自浄作用はどんどん失われます。
イタチごっこ
悪徳業者は、どんな法であっても抜け穴を見つけていきます。
法の抜け穴を探ること自体は商売上否定しませんが、それで動物福祉が守られないなら言語道断です。
規制強化は実際に悪徳業者を摘発することができず、更なる規制をするはめになり得ます。
要はイタチごっこをしている間に優良業界人はいなくなるのが怖いのです。
この構造はどんな業界にもあるように思います。
例えば公務員。
不景気で公務員に対する目が厳しくなればなるほど、公務員は透明性を担保するためにはっきり言って無駄な労力を使い、必要な業務ができなくなっています。
確かに不正、癒着など公務員法に違反するようなことを取り締まる必要はあります。
ただ、その悪影響だけ受けているのが下っ端公務員たちです。
国民、県民、市民のために有効な施策を進めることなんかより、何か疑われるような行動は慎み、透明性確保に時間とコストをかけ、波風絶たないようにするのが吉とされがちです。
そんなことやっていたら当然バリバリ県民のための仕事がしたい人は民間でやろうとか、独立してやろうという考えになりますよ。
結果、仕事ができるひとはいなくなり、のらりくらりの人が残るのです。
まとめ
前回改正された動物愛護法は、飼養基準に数値基準が設けられましたが、最低限のものであり、いい基準だと考えています。
私が今回言いたいのは、とにかく悪徳業者をぶっつぶすことに執着し、優良ブリーダーに負荷をかけるようなことになって欲しくないということです。
優良業界人が抜けた業界の未来は暗いです。
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