猫を捕獲して手術したり、里親を探したい!でもどうしたら…?という方は是非この記事を参考にしてください。猫捕獲における基本の「き」を詰め込みました。

捕獲手段

手で捕獲するのは無理

いくら慣れてきたといっても、抱っこしても落ち着いていて、何度もそのままキャリーケースに入れたことがある猫でない限り、手で捕獲するのは不可能です。手術に連れて来るときは、おのずとあなたの気合いが入ってしまいます。猫は必ずその違和感を感じ取り、いつもは大丈夫であったはずの猫が暴れてあなたの腕の中から飛び出します。あなたのケガにもつながります。それはいいとおっしゃりたい気持ちはわかりますが、それ以上に猫の警戒心が強まるのでやめてください。

捕獲器の貸し出し無料

当院にて手術等を実施する場合、猫の捕獲自体の依頼も承っています。しかし、よほどの理由(体が不自由等)がない限りまずはご自身で捕獲を試みていただきたいと思っています。普段見慣れない私どもが訪問することで猫が余計に警戒するからです。管轄の保健所または当院にて、無料で捕獲器の貸し出しは可能です。まずはこの記事をご一読のうえ、挑戦してみてください。捕獲器の使い方は下部に記載しています。

手術対象

オスもメスも全頭捕獲手術すべし

メスだけやりたいという相談が少なからずあります。オスの手術をしないという選択肢はあり得ないです。大前提として猫が複数頭いる場合、捕獲する猫を選べません。また、未去勢オスが隣の集落で種をつけたメス猫が流れてきて子猫を産むことが十分に起こりえます。その可能性をなくすため、必ずオスも全頭手術をしてください。

一斉捕獲を目指す

捕獲、手術、リターン(リリース)による繁殖制限を目的にしている場合、普段からその場に来ている全頭一斉に捕獲して手術することを目標にしてください。まずは半数、まずはメスだけなどという計画はほぼ間違いなく失敗します。失敗というのは、何頭か手術したのに、数か月以内にまた猫が増えてしまうということです。お金も、労力も無駄使いになります。当院に依頼される方は、そうなって欲しくないのです。

例えば、10頭いるのに、まずは5頭手術し、後日残りの5頭と計画したとします。2回目に捕獲する際、前回手術した5頭と今回手術予定の5頭が混在する場所に捕獲器を仕掛けることになります。すると、すでに手術済みの5頭が再度捕獲器に捕まります。1回目に捕まった警戒心の薄い猫が再度かかるのは当然のことです。そうやっているうちに捕獲目標としている5頭の警戒心はどんどん上昇し、捕獲は難しくなる一方です。結果的に、捕まらなかった猫は出産し、最初の5頭を手術をしたことが無意味になるほど増えます。こうならないように、全頭一斉捕獲・手術を目標にしましょう。

※捕獲・手術後、室内飼育に切り替えたり、譲渡する場合はこの限りではありません。捕まった猫から順番にやっていけばいいと思います。ただし、あまりにもゆっくり進めていると繁殖しますので、その点は注意してください。

捕獲から手術のおおまかな流れ

捕獲~手術タイムスケジュール(時刻は一例)

①早めに手術の予約をお取りください。捕まらなかったことによるキャンセルは問題ありません。

②手術前日までに捕獲器と手術後に猫を入れる洗濯ネットとダンボールキャリーケースを用意してください。捕獲器は保健所または当院まで取りに来てもらう形になります。捕獲器を家まで運んで欲しい場合、往診料金にて承ります。

③手術前日の夕食時に最初の捕獲を始めましょう。1時間程度が目途です。具体的な手順は下記(捕獲の具体的手順)参照。夜中仕掛けておくことはおすすめしません。寝ている間の万が一の事故や野生動物の錯誤捕獲に気づくことができません。猫は捕まるときはすぐ捕まりますし、ある程度で捕まらなければ何時間仕掛けていても捕まらないと言っても過言ではありません。そのため、夜は必ず捕獲器を1度仕掛けるのをやめて、翌朝再度仕掛けなおしてください。

④前日に取り逃がした猫は翌朝(手術当日の朝)再チャレンジします。やはり1時間以上は粘っててもあまり意味がないので、1時間を目途に切り上げてください。

⑤予約した時間に猫を連れてきてください。それまでにまだ捕獲できていない猫がいる場合は、捕獲器を仕掛けっぱなしにしてください。手術している間に他の猫が捕まったら、病院に連れてきてください。

前日取り逃した猫を捕獲するために、当日の朝、再度の捕獲機会を設けています。捕獲できた猫が手術に行って、帰ってきて、リリースするまでの間が最大の捕獲チャンスです。手術済みの猫をリリースした後では、再度同じ猫が捕まる可能性が高いためです。散ってしまった猫がフラっと戻って来たところに捕獲器が設置されている状況にしましょう。この場合に限っては、捕獲器は仕掛けっぱなしで構いません。戻ってきたのを確認してから設置すると、設置している間に再度逃げられてしまいます。これができるから、複数回に分けずに1日で全頭捕獲を目標にするべきなのです。

⑥猫を返却します。時刻は頭数次第です。お迎えに来る際、当院から貸し出した捕獲器は返却してください。

⑦翌朝、手術済みの猫をリリースしてください。

捕獲の具体的手順

Ⅰ.まずは、猫が通って来たり逃げたりするルートを確認します。通り慣れた道を通って来たり、休憩したり寝床としている場所への道があります。場合によっては隣の家の可能性もありますし、床下や倉庫内かもしれません。

ある程度通り道が決まっています

Ⅱ.一番最初に捕獲器を設置するのは、エサ場ではなく、そこから逃げた先です。居心地のいい場所、安全と思っている場所へ逃げることを予想して、先に仕掛けておきます。

遠いところから設置します

Ⅲ.最後にエサ場に設置します。逃げた先に行くであろう場所に設置している間もエサ場でエサを待っているはずです。

最後にエサ場付近に設置します

Ⅳ.設置後、すぐに家の中や捕獲器が見えない場所に移動してください。すぐにかかりそうな猫がいても、絶対に捕獲器の様子を見ないでください!!家の中からも見ないように。猫は必ず入る直前に周りを見渡します。誰かに見られているとそこで警戒して入らなくなります。静かに聞く耳をたてておいてください。カシャンと捕獲器が閉まる音を聞いてください。音を聞いてから10分程度は放っておいてください。近くの猫が違う捕獲器にかかる可能性があります。

Ⅴ.捕まった猫は捕獲器ごと静かな場所に避けます。余っている捕獲器があれば同じ場所に設置します。こうしている間に、猫はある程度散ってしまいます。しかし、おいしいエサがあれば10-20分程度で再度元居た場所に戻りますので、再度隠れてください。ポツポツ捕獲が進みます。

Ⅵ.捕獲した猫は、玄関や倉庫など、明るすぎず、暑かったり寒かったりしない場所を選んでください。上からタオル等をかけると猫も落ち着きます。絶対に猫を捕獲器からキャリーケースなど他の容器に移し替えないでください。素人がやるとほぼ確実に逃げられます。また、捕獲器に入った状態は、麻酔をかけるのに適しています。移し替えるメリットは全くありませんので、絶対におやめください。捕獲器の中で排泄することを考慮して下にペットシーツや新聞紙等を敷きましょう。手術適期の猫なら1日程度食べ飲みしなくても問題はありません。

捕獲器の使い方

踏板式

踏板を踏めば、扉が閉まるタイプです。捕獲器の奥にエサを置きますが、一口で持っていかれないような工夫が必要です。唐揚げを使う場合、捕獲器のメッシュで唐揚げを押し付けるくらいにしましょう。ポン置きではすぐ取られてしまいます。

吊下式

エサを吊り下げてそれをいじることで扉が閉まるタイプです。エサを棒にさせるために先が鋭利になっているものが多いです。これは捕獲後の動物を傷つける可能性がありますので、内側に曲げたり、先端を削る必要があります。エサは紐でぐるぐる巻いて固定しましょう。

鋭利な先端を折り曲げてある

①の棒に③の棒をひっかけることで仕掛けますが、ひっかけすぎると猫がいくらいじっても作動しません。ひっかけるのはほんの少しで、扉が開いたままになるギリギリくらいでセットしましょう。

簡単にできるひと工夫

置く場所は、壁やその角に沿うように置いてください。広く開いたスペースにポン置きでは違和感が大きいです。一方向もしくは二方向が遮断されていると、そちらから来る刺激が遮断されるため、不要な刺激を与えずに済みます。

踏板式の場合、入り口から踏板までペットシートや新聞紙を敷き、踏板を隠してください。ずれないようにテープで固定するとなお良し。

ペットシーツで踏板を隠している

捕獲器全体をダンボール、ペットシート、タオル、新聞紙などで覆うのは大変ですが、効果があります。顔だけでも入れば、外からの刺激を遮断し、エサに集中させることができます。

注意点

自分の敷地以外で捕獲を行う場合、必ず敷地管理者の許可を得て下さい。同時に、その方が猫に刺激を与えないように、家の中にいてもらうなどのお願いしましょう。捕獲後はエサの残りなどをきれいに片づけてください。

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